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◆読めない書道
消しゴム判の楽しみ


◆村松恒平
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村松恒平
『読めない書道』


読めない書道は、従来の書道とは全く違うところから始める書道です。
従来の書道より、もっとスピリチュアル←→ソウルフルで、芸術的なものです。


従来の書道は、弟子の書いたものを師が朱を入れて直すでしょう?
そんなに型にはめてしまうから書は芸術から遠ざかってしまうのです。
正しい字と間違った字、正しい線と間違った線、そういう基準を最初にインプットされてしまうと、手は縮こまり、心はいつまで経っても自由性に到達しません。

だから、読めない書道は、まず字でないものから書き始めます。
線をのびのびと楽しく引く。
白い紙に墨のなんと美しいことでしょう。
そういう内発的な喜びから始めます。



書1は文字でない文字です。
まだ意味も名前もないものについての書です。
これがいわゆる読めない書道です。


でも、意味にとらわれない訓練をするために読めないものを書くだけで、こうして精神を自由にして、字と再度向き合います。

文字自体のエネルギーは尊重します。
字を尊重せずに崩すだけでは品のないものになります。
原型や、字が生成されたときのエネルギーを知るときは、よく白川静氏の辞書に依ります。



書2は「強」という字です。

強弓を引くイメージですが、化け物を操っているようにも見えないことはありません。弓偏の上部がウサギに見えるという人もいました。
読めない書道をやっていると、絵画と文字との境界線が溶け合っていく現象がよく起こります。
そもそも字の起こりは象形文字だったわけですから、その精神に還っていくと文字は象形化するのです
白川静氏は、強の字に虫の字があることから、弓の弦を蚕の糸を使って強化したからこのような字が成立したのだろう、という意味のことを書いています。




書3は波です。
これは実際に海の近くに滞在したときに書いたものです。
波が柔らかくダンスを踊っているように見えるでしょう?
こんなふうに象形化したときは気持ちがいいものです。



書4は音楽。
これも踊っています。


誰かのお手本を真似するのではなく、こういう字が自分の中から自然に出てくるのです。
自由に字を書く楽しさや創造性を感じてもらえるのではないでしょうか?